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会社の合併

 会社の合併とは2つ以上の会社が合併契約を結んで権利義務等を包括承継させる行為で、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させる吸収分割(会社法2条27号)と合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させる新設合併(会社法2条28号)の2種類があります。
 株式会社、合同会社、合名会社、合資会社のどの組み合わせでも合併できますが、特例有限会社や清算中の会社は消滅会社にはなれるが存続会社になる事はできません。
 合併は消滅会社においては従前の会社が消滅してしまい、承継会社においても合併対価と引換えに権利義務を包括的に承継するというリスクが発生するので両当時会社の株主・債権者とも保護手続きが用意されています。
 株主に関しては一定の場合を除き、株主総会の承認決議(原則特別決議)が必要となるため事前に通知がなされることになります。また、反対株主には株式買取請求権が認められています。
 債権者に関しては官報公告および個別の催告または日刊新聞紙か電子公告による異議申立て手続きが用意されています。

 この様に種々の形態が用意されている合併手続ですが、ここでは実務上最も多いであろう株式会社同士の吸収合併手続きに関して記述していきたいと思います。

 吸収合併の流れは主に次のようなものになります。

 1.取締役会での合併契約書の承認
   合併契約書の締結、官報公告の手配
              ↓
 2.官報への合併公告、株券提供公告、債権者への個別催告
   合併契約書等の事前備置
              ↓
 3.株主総会招集通知及び株主・新株予約権者等への通知
              ↓
 4.株主総会での合併契約の承認決議
              ↓
 5.債権者異議申述期間の満了
              ↓
 6.合併契約の効力発生日、合併に関する事項の事後開示
              ↓
 7.変更登記、解散登記の申請

 以上の中で、債権者保護手続きや株券提供公告手続きには1ケ月を要し、また公告の手配にも通常2〜3週間要しますので、最短でも計画から登記申請まで2か月はかかると考えた方が良いと思います。登記申請後、登記が完了するまでに更に1週間〜10日程度要します。

上記1の注意点
 合併公告の中で最終の決算公告の掲載状況を載せる必要があるため、当時会社が最終の事業年度に関する決算公告を失念している場合にはその決算公告も併せて行う必要があります。
上記2の注意点
 債権者への個別催告に関して、現に訴訟等で争っていて会社側は債権者と未だ認めていない者に関しても個別催告を行う必要があります。
上記3の注意点
 株主・新株予約権者等への通知は効力発生日の20日前までにする必要がありますが、株主に関しては公開会社や株主総会で承認決議をする場合にはこの通知に代えて公告することで足ります。また、新株予約権者に対しては制限なく通知に代えて公告することで足ります。

合併による変更登記・解散登記

 合併の効力が発生すると、存続する会社においては変更登記を、消滅する会社においては解散の登記をする必要があります。存続する会社の変更登記の登録免許税は次のとおりです。
 増加した資本金の額の1000分の1.5(消滅会社の合併直前における資本金の額として財務省令で定める額を超える部分については1000分の7) 以上により計算した額が3万円以下の場合は3万円
 消滅する会社の解散登記の登録免許税は3万円です。尚、消滅する会社の本店が存続する会社と別の管轄の場合でも存続する会社の管轄登記所に変更登記と解散登記を一緒に提出します。この場合の解散登記の宛先は解散する会社の管轄登記所御中と記載して、存続会社の管轄登記所が調査した後に解散する会社の管轄登記所に送付します。

吸収合併登記必要書類

 存続する会社に関する書類
1.合併契約の承認に関する議事録又は証明書
2.債権者保護手続を証する公告及び催告証明書
 (異議を述べた債権者がいる場合は当該債権者の弁済金受領書等又は債権者を害するおそれがないことを証する書面)
3.資本金計上証明書
 消滅する会社に関する書類
4.消滅会社の登記事項証明書
5.合併契約の承認に関する議事録又は証明書
6.債権者保護手続関係書面
7.株券発行会社については株券提供公告を証する書面
8.新株予約権発行会社は新株予約権提供公告を証する書面
 その他
9.合併契約書
10.合併に主務官庁の認可が必要な場合は主務官庁の認可書
11.簡易又は略式合併の場合は要件を証する書面
12.登録免許税の算定根拠を明らかにする書面
13.合併により役員が変更する場合には役員変更関係書類

簡易合併・略式合併

 株主総会決議が不要となる一定の場合というのがこの略式合併および簡易合併です。大雑把にいうと簡易合併とは合併対価が存続会社の純資産額の5分の1以下の場合で、略式合併とは90%以上の議決権を支配している会社との間でする合併です。この要件を満たしても合併差損が生じる場合や公開会社が関係する場合など簡易・略式合併出来ない場合もあるので注意が必要です。

 

よくある質問

 

 合併や会社分割に関する質問の中で、債権者手続の省略に関するものが多いので、以下にまとめてみたいと思います。

 合併や分割等の組織再編に際しては原則として債権者保護手続きが必要です。その方法は官報での公告及び知れたる債権者への個別催告手続きですが、後者の個別催告に関しては会社が定款で公告方法として「時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法」又は「電子公告」を定めている場合にその公告をした時は個別催告が不要となります。但し、合併、分割の場合で次の場合は個別催告を省けません。
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合併存続会社又は新設合併設立会社が株式会社又は合同会社のときに消滅会社が合名又は合資会社である場合の合名・合資会社。
A分割する場合において、分割会社に請求できなくなる不法行為に基づく債権者には各別の催告が必須です。
  その他、知れたる債権者がいない場合も催告が出来ないため不要ですが、その場合の登記にはその旨の証明書を提出する必要があります。

 会社分割においては吸収分割又は新設分割で分割会社の債権者に不利益が生じない場合として次の場合は、債権者に会社分割に関して異議申述べが出来ないため、債権者保護手続きが不要となります。
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分割会社から債務が一切移転しない場合。
A債務は移転するが、分割会社が併存的債務引受や連帯保証をしたため債権者が会社分割後も分割会社に債務の履行請求ができる場合。
但し、この場合でも分割型会社分割(昔の人的分割の場合です。)では、分配可能額以上の財産流出するおそれがあるため、債権者保護手続きは省略できません。また、保護手続きを要しないのは分割会社の債権者ですので、承継会社の債権者に対しては常に債権者保護手続きは必要です。

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